ヤロヴィトの孤立

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こんばんは、いや、もう朝ですかね。矢筈たまっぺ(やはず-)です。

実は今日、妹の大学受験日でもあるのですが、そんな妹を傍目にしながらずっと上の絵を描いていた僕でありますw

今回の絵は、何かと描くたびに図らずも微妙なマイナーチェンジを遂げてしまう筑司連邦の首相である奈取さんです。パソコンだけで絵を描く特訓をしていますが、なかなか良い線を行っているんじゃないかなぁとか時分でも思ってます。

さて、以下は前回のSSの続きです。お楽しみいただければ幸いであります。

 

 

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69周年記念祭典が終わってしばらく経ち、しかし一連の騒動に関する世論のほとぼりは冷めていなかった。先日の祭典で、オーロラ湾側の邦人が騒動を起こしたのを知ったリルショーカ峡谷でナズナポルナ(コロニー群全体の経済計画において、期限付き計画経済を実施しているということ)のコロニー、サイトAスヴェントヴィト,サイトAヴァンニク、サイトБキキモラ、サイトБドマニャー、サイトДペセヤスなど、その他多数のコロニー長がオーロラ湾生存圏政府への不信感を表明し、次々とオーロラ湾との国交自粛へと舵を切ったのである。コロニー長たちは、峡谷内の経済アクターのみで現在の規模を維持でき、邦民を養うことが可能であるとし、報道機関もこの試算結果を仰ぎ邦民に伝えたため、祭典で騒動を起こしたことにはじまり、ナズナ経済への組み込み合意をする気配を一向に見せないオーロラ湾生存圏に対して、鉄槌を下そうという世論・風潮が一気に高まった。それはさまざまなオーロラ湾側のプロダクトの不買運動にもつながった。

 各コロニーの不買運動や国交断絶・自粛状態は、当然のことながら大手の下請け・発注先を失ったナズナポルナコロニーの新たな担い手として峡谷のアノフパルナ(計画経済から開放され期限付きの資本主義経済を実施しているということ)のコロニーに波及し、政府はこの峡谷内での民間企業の経済関係の規制緩和に踏み切らざるを得ない状況となった。そして、リルショーカ峡谷生存圏の望まない自己完結性を高めることとなったのである。アノフパルナのコロニー長も、そういった世論を邦民感情を鑑みて反映せざるを得ない状況になり、オーロラ湾生存圏への不信を表明して、国交自粛まで追い込まれた。しかし、唯一つ首都コロニーを誇るサイトБヤロヴィトのみは、そのコロニー長を兼任する奈取首相からそういった声明を出すことは無かった。国交を絶っていない最後のコロニーとなった日に、移動中、報道陣から奈取首相は取材を受けた。

 「峡谷において、ただ一つここヤロヴィトだけがオーロラ湾との国交を絶つ宣言をしておりません。実質、ここヤロヴィトからオーロラ湾に移動するためには、サイトАスヴェントヴィトを経由するルートしかありませんが、スヴェントヴィトが国交を絶っている状態でありますので、全くの無意味であると言えます。このような事態において、他のコロニーの動向を、首相は無視していらっしゃるのでしょうか!?」

 「仰るとおりです」

と奈取首相。

 「しかし、あなたも教育を受けたならお分かりでしょう。地球の歴史を思い出してください、我々が母星である地球を追われることとなった原因はなんですか、なぜあの星を出なければならなかったのですか。それは核戦争です。核戦争はなぜ起きましたか。経済のイデオロギーの違いですね、資本主義と社会主義の戦いです。双方が殺しあう原因になったのは、ブロック経済でしたよね。我々は今こそ、オーロラ湾との関係を絶ってはならないと、私はそう思うのです。これから各コロニー長との会合がありますので。」

そう言って、奈取首相はその場を後にした。

 

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今回はここまでです。まだまだ続きますので、また次回!

なんでもコメントしてくださると大変嬉しく思います。

それでは、До аста'!